相続人に行方不明者がいる場合の遺産分割

Q 相続人の中に行方不明者がいます。遺産分割を成立させることはできますか?

 

A できます。

 相続人の中に行方不明者(不在者)がいる場合に遺産分割を成立させるための手続としては,「不在者財産管理人の選任」「失踪宣告の申立て」などが考えらます。

 

このうち「不在者財産管理人」の選任が一般的に行われる方法です。どのような場合に,「不在者財産管理人」を選任してもらうことができるかについては,

①従来の住所又は居所を去って容易に帰来する見込みのないこと

②不在者に財産があること

③財産を管理できないこと

の3つの条件を満たす必要があります(民法25条)。

 

また,「失踪宣告の申立て」は,行方不明者の生死が7年問明らかでない場合に申立てをして(民法30条1項),失踪宣告が下されれぱ,不明期間7年間が経過した時に死亡したとされる制度です。

死亡により,行方不明者の相続が開始しますから,相続人らを相手方として遺産分割の申立てを行います。

なお,不明者の場合には家事事件手続法19条の特別代理人の選任はできませんのでご留意ください。

☞参考:こちらもご覧ください。相続財産管理人について