使途不明金がある場合(贈与を受けたと主張された)

Q 亡くなった母の通帳に,多額の出金履歴があります。

 

  長男が母の預貯金口座を管理していたので,長男が引き出して使ってしまったのではないかと思い,長男を問いただしました。長男は,一部,自分が引き出したことは認めましたが,母から「あげる」と言われて贈与を受けたもので,遺産ではないと述べています。

  しかし,それ以外の遺産がほとんどありません。

  どうしたらよいでしょうか。

 

A まず,そもそも,その当時(複数回の引き出しがあった場合は,その期間中)の亡母の認知能力が,贈与の意思決定をすることができる程度のものであったのかが問題となります。そのため,まずは,当時の医療記録や介護記録などの客観的な証拠を分析する必要があります。

そして,長男に,贈与の日時(時期),場所,状況(周囲に人がいたかどうか,誰がいたか),そもそも,なぜ亡母が長男に対してのみ,そのような多額の現金を贈与したのか(理由)につき,具体的に説明をしてもらう必要があります。

 

  また,長男の説明の内容と,客観証拠との整合性も問題となりますし,贈与税の申告の有無ももちろん問題となります。

いずれにしましても,一度ご相談ください。