別居中の夫に生活費の負担を求めることはできますか。私立学校の学費の負担が大きいのですが。

別居中の夫から離婚を求める通知が届きました。現在,夫から生活費の支払いはなく,私にはわずかのパート収入しかありませんので生活が大変です。特に,子どもの私立学校の授業料の負担が大きいのですが,夫に負担を求めることはできますか。

別居していても離婚するまでは夫婦であることに変わりはありませんから,収入の多い夫は,あなたに婚姻費用(夫婦の生活費)を分担して支払う義務があります。あなたから請求しても支払いがない場合,裁判所に婚姻費用の分担を求める調停を起こすことを検討すべきでしょう。

夫が負担すべき婚姻費用の金額は,夫と妻の収入(年収)を基礎に決まりますが,その標準的な金額(標準額)は,いわゆる「標準算定表」を見ることで分かります(裁判所の手続きにおいても,この表に基づく標準額が基準となります。)。

標準額は,お子様の教育費(学校の授業料等)も考慮して定められているものですが,そこで考慮されているのは公立学校の教育費です。そのため,お子様が私立学校に通われていて,より高額の授業料がかかるような場合で,夫も私立学校への進学を承諾していた場合には,標準額を超える負担を求めることができるとされています。

具体的にどの程度の金額を請求できるかは,双方の収入がいくらなのか,私立学校の授業料がいくらなのかといった個別の事情や,負担割合をどう定めるのかにもよりますので,一度弁護士にご相談頂くことをお勧めします。