存命中の高齢者の財産管理の問題(成年後見)

1 存命中の親の財産管理の問題

 近年,存命中の高齢者の財産についての管理方法について,事後的にトラブルになる事例が非常に増えています。特に,死亡後になって,生前の預貯金の出金行為のあり方が,本人に無断の出金行為だったのか,そうではなかったのかが問題となる事例が増えています。

2 対応方法-家庭裁判所の選任する後見人(法定後見)

 1つの方法としては,家庭裁判所に成年後見開始の申立てを行い,裁判所の選任する成年後見人が,高齢者の財産等の管理を行うという方法があります。家庭裁判所は,紛争性のない事案では親族を後見人として選任することもありますが,紛争性が高い案件では親族が後見人として選任されることは少なく,弁護士や司法書士等のなかから成年後見人を選任する傾向にあります。

 特に,誰かが高齢者の財産を事実上管理しているものの,不審な点が多い場合等においては,別の親族が成年後見開始の申立てを行うことにより,成年後見人による管理に移行し,以後,高齢者の財産について公正な財産管理を始めることができるというメリットがあります。

 当事務所では,家庭裁判所の成年後見開始審判申立事件をお引き受けしております。