財産分与の算定方法(清算的財産分与について)

財産分与の算定方法(清算的財産分与について)を教えて下さい。

概ね次のような手順で行われます。

 

1 夫婦の全体財産を、夫婦の所有名義ごとに分けて、各当事者名義の純資産を計算し、それを比較し、財産分与後の所有名義の財産が各2分の1(★)となるように清算的分与額を決める。

★一般に夫婦の寄与は均等と扱われます。

 

A―2 清算と評価の基準時について

① 分与対象となる財産の確定の基準時について

まず、どの時点を基準として財産分与の対象となる財産を確定すべきかが問題となりますが、この点、離婚時(裁判時)を基準とする見解と、別居時(夫婦の協力関係が終了したとき)を基準とする見解があり、実務は、別居時を基準としているといえますが、最高歳の判決として、前者をとった判決を違法ではないとしたものがありますので、いずれをとっても裁判所の裁量の範囲内であるといえます。

 

② 評価の基準時

確定した財産の評価については、一般に裁判時の時価で行うのが合理的であるとされています。

 

A―3

しかし、裁判実務においては、別居が余りにも昔のことで当時の財産関係資料の入手が難しい場合もあります。

また、別居がいつの時点でされたのかについての事実認定が困難であったり、又は、夫婦協力関係の終了時の判断について評価の問題が生じ、評価が困難である場合もあります。

このような場合は、裁判所の合理的な裁量により判断されることにならざるをえません。

場合により、当事者間で対象財産確定の基準時及び評価の基準時について合意ができるようであれば、この時点を基準として、判断をする場合もあります。

いずれにせよ、双方名義の財産のリストを作成する必要があるところ、別居時が明確に判定できない場合や、余りにも昔である事案についての扱いは難しいものとなります。