親権

未成年の子供がいる場合、離婚後の親権者を夫婦のどちらにするか決めなければ離婚はできません。

夫婦間の合意で親権者を指定できないときは、協議離婚の届出ができないので、調停や裁判等で親権者を決めることになります。

最近は、父親側も強く子供の親権を求め、財産分与等離婚の経済的条件よりも重大かつ深刻な問題となっている場合がしばしば見受けられます。

ではどのような判断基準で、父と母のどちらを親権者とするのかを決めるのでしょうか。

ポイントは、やはり、「子どもの福祉」、子供にとってどちらと生活させるのが最も子供の利益にかなうのか、これに尽きるといえます。親のエゴや離婚の際の意地の張合いなどで決めるものではありません。

この「子供の福祉」の観点から判断する際の要素としては、
1 母親優先(乳幼児について母の監護を優先させる。父は最初から相当不利といえます。)
2 経済的能力・資産状況(養育費・生活費を確保できるかどうか)
3 継続性(現実に子を養育監護しているものを優先する。現在子供が問題なく育っているならばその環境は変えないほうがよいという考えに基づくものです。)
4 子の意思の尊重
5 兄弟姉妹を分離しない方向で親権者を決める(血のつながった兄弟姉妹を分離することは、子の人格形成に深刻な影響を及ぼすため)
などがあります。

これらの要素を裁判所が重視することを踏まえた上で、具体的に、ご自身が育てるのが子供のためであるということを裁判所に理解しやすいように説明する必要があります。