Q 法律が変わり、相続登記をすることが義務になったと聞きました。また、登記を
怠ると過料を払わなければならないとも聞きました。5年前(平成30年)に父か
ら不動産を相続したのですが、登記などしておらず放置しています。良くないので
しょうか。
それと、昨年(令和4年)に母が亡くなったのですが、相続人である弟との間で
遺産分割の協議がまとまりません。どうしたらいいのでしょうか。
A 令和6年4月1日から施行(適用)される不動産登記法の改正によって、相続で
不動産を取得してから3年以内に(※1)、相続登記を申請することが義務となり
ました。また、正当な理由なく違反すると過料(10万円以下)に科せられるもの
とされました(以上について改正不動産登記法76条の2の2号、164条1号
等)。
今後発生する相続について適用があることはもちろんですが、既に発生している
相続についても適用がありますので、5年前(平成30年)にお父様から相続した
不動産についても、相続登記をしなければなりません(ただし、その場合は相続か
ら3年は既に経過していますので、「施行日から3年」以内に登記することになり
ます。)。
お母様の相続について遺産分割協議がまとまらないということですが、このまま
では3年が過ぎてしまいます。そこで、①いったん法定相続分(相続人があなた様
と弟様の2人であれば、それぞれ2分の1ずつです)で登記し、遺産分割がまとま
ってから3年以内に、分割の内容で登記をするか、②「相続人申告登記」(同76
条の3)という新しい類型の登記をして、登記官に相続が発生したこと、自己が相
続人であることを申告して登記義務を免れるか、いずれかの対応が必要となりま
す。
※1「自己のために相続の開始があったこと」と「所有権を取得したこと」を知った
ときから3年