第二種市街地再開発事業とは

都市再開発法に基づく市街地再開発事業は,既存の土地建物を解体整理して,新たな再開発ビルや公共施設等を整備することがその中核となります。

このような事業の多くは,地権者等の権利を再開発後の建物等に対する権利に変換する「第一種市街地再開発事業」として行われます。

これに対して,地権者等の権利をすべて買収したうえで,希望する地権者等に再開発後の建物等の権利を売却するのが,「第二種市街地再開発事業」です。第一種市街地再開発事業の権利変換方式では、地権者等が多くなるとその調整にかかる時間が増大するといったデメリットがあることを踏まえ,公共性と緊急性が著しく高い事業で、権利関係を早期かつ個別に処理できる事業方式として設けられました。

 

(1)実施の要件

第二種市街地再開発事業は,市街地再開発事業を実施するための要件(①高度利用地区等である②耐火建築物が少ない③土地の利用状況が著しく不健全である④土地の高度利用をはかることが都市の機能更新に貢献する)に加えて,区域の面積が0.5ha以上であることと,防災上・安全上支障がある建築物が10分の7以上などといった法の要件を満たすことが求められています。

すなわち,大規模かつ再開発の必要性・緊急性の高い区域に限り可能となっています。また,施行者は地方公共団体等の公的な団体に限定されています。

 

(2)事業の進め方

まず,第一種市街地再開発事業と同様に,前提となる都市計画決定が必要となります。そのうえで,事業者に対して,都道府県知事等による施行認可が行われます。

ここで,第二種市街地再開発事業では,再開発ビルの譲受けを希望する方が申出を行います。第一種市街地再開発事業の場合は,転出する方が施行者に対して申し出を行い,申し出のなかった方に再開発ビルの一部が割り当てられるところ,第二種では原則と例外が逆になっています。

 

そのうえで,施行者は,建築する建物の管理・地権者等への処分についての「管理処分計画」を策定し,認可を得たうえで,用地買収を行います。用地買収は,任意の売買契約に基づき行われることが多いですが,最終的には,強制的な土地収用も可能となっています。

そして,施行者が区域内の土地建物をすべて買収したうえで,再開発ビル等の工事が行われます。