労働者災害補償保険補(労災保険法)による保険給付には、業務災害、複数業務要因災害及び通勤災害が含まれています。
1 業務災害とは、「業務上の事由」による労働者の負傷、疾病、障害又は死亡(以下、これらを併せて「傷病等」)をいいます。
2 複数業務要因災害とは、複数事業労働者の2以上の事業の業務を要因とする傷病等のことをいいます。より具体的には、個々の事業における業務上の負荷のみでは業務上の災害とは認められない場合でも、複数の事業における業務上の負荷を総合的に評価すれば業務上の災害と認定できるときは、令和2年の労災保険法改正によって、複数業務要因災害として保険給付が行われることとなったというものです。主に想定されるのは、脳・心臓疾患及び精神障害を発症した場合です。
3 通勤災害とは、通勤による労働者の傷病等をいいます。
これら3種類の保険給付の内容は、基本的に同一ですが、保険事故の性質が異なるために、別個の保険給付と位置付けられています。
したがいまして、万が一、労働災害が発生してしまった場合、上記の各場合に応じた、手続等をとる必要があります。
なお、具体的な保険給付の内容につきましては、別記事で御紹介いたします。